ジェイソン・ボーン

2019年9月26日

ボーンが消息を絶ってから何年もの歳月が経過したある日、元同僚であるニッキーはボーンを見つけ、彼にある真実を告げる。 それはCIAが世界中の情報を監視し、技術開発やテロ活動までをも裏で操作する事を目的とした、恐ろしい極秘プログラムが始動したというものだった。 姿を現したボーンの追跡を任されたCIAエージェントのリーは、彼が最も求めているものを提供すれば、再びCIA側に取り込めるのではないかと考え始める。 しかし“史上最も危険な兵器"であるボーンは、追跡者が想像すらできない、ある目的を持って動いていた・・・。

 

 

ジェイソン・ボーンの4作目。
3部作で終わったのかと思いきや、スピンオフの「ボーン・レガシー」を挟んで9年ぶりに復活しましたが、かなり物足りなさの残る内容でした。

まず地下ボクシングみたいなことをやって生計を立てている(?)ようなオープニングがそもそもジェイソン・ボーンというキャラクターには合っていません。
だいたい工作員がこんな目立つようなことをやっちゃいけません。

ストーリーの骨子となる父親の死の真相も後付け感がありすぎだし、未だに苦悩を抱えているようなシーンが続くといい加減に吹っ切れよとか思ってしまいます。

「アイアンハンド計画」はスノーデン以降の世界では誰でも思いつきそうな内容で、それを一般企業のあてにならない経営者頼みにするような計画をCIAがやるというシナリオにリアリティが全くない。さらにCIAの長官が自分の都合だけで自分の局員を何人も殺させるのも不自然。ヴァンサン・カッセルはアセット(ASSET=工作員)というよりはただの殺し屋になっちゃってます。

ラストのカーチェイス、ヴァンサン・カッセルが装甲車に乗っていながら逃げ回るのが意味不明。ボーンを追っかけてたんじゃなかったのか? 車を次々に跳ね飛ばすシーンを撮りたいがために無理のある脚本になったように感じますが、ギリシアの広場でランデブーする場面も、地下ボクシングのとこで話せばニッキーも死なずに済んだのにとか、そういうシーンが他にもちらほら。

ジェイソン・ボーンの魅力のひとつは、敵も味方も無駄なものをそぎ落としたプロフェッショナルの行動を描写しているところにあるわけですが、それがあまり感じられず全般的に素人臭くなっています。
撃たれた後に結局ニッキーを見殺しにしてしまうところ、イヤホンに気づかないところ、ビルから飛び降りて死にそうになったところ、装甲車の前に飛び込んだり上に乗ったりであまりも無謀なところ、ダンベルで殴られたりヘザーが局長を撃たなければそのまま射殺されていたところ、どれも今までのボーンと違いすぎる。
最後の素手の格闘もなんかも普通すぎ。

また、1~3作目は登場する女性はあまり美人じゃないのが逆にリアルだったのに、アリシア・ヴィキャンデルはこのシリーズには不似合いな美少女キャラで現実味がありません。笑わないし同僚がみんな殺されても無表情だし、エクス・マキナで逃げ出したロボットがCIAに潜り込んでコンピューターは自由自在♪ みたいな感じが最後まで拭えず。
そのわりにボーンにあからさまに協力を申し出たために腹に一物抱えているのが見え見えというわかりやすさ。CIAでこれはだめでしょう。
ジャケットに「新章 始動」とあるので続編もあるのでしょうが、アリシア・ヴィキャンデルがまた出てきたらどうやって落とし前を付けるのかが見物です。

ジェイソン・ボーンシリーズの特徴として、シリーズを通して出演しているキャラクターがあまりいないということがあります。
原作ではずっと生きているマリーも2作目の冒頭で殺してしまうし、パメラは何をしているのやら。 そういえばミシェル・モナハンも出てたんだよなぁ。
唯一生き残っていたニッキーもいなくなっちゃったし。
キャラクターを引きずらないのは強みでもあり弱みでもあると思いますが、やっぱり一人くらいはシリーズを通して出ている人がひとりくらいはいたほうがいいし、ニッキーはずっと出ていてほしかった。

ということでちょっとがっがりな出来でしたが、全編に漂う緊張感は変わらず。そこは評価できますが、脚本がねえ。。。期待が高かった分、採点は辛めです。

作品情報
原題:Jason Bourne
上映時間:124分
公開年:2016年
製作国:アメリカ合衆国
ジャンル:アクション
監督:ポール・グリーングラス
主演:マット・デイモン
出演:トミー・リー・ジョーンズ
アリシア・ヴィキャンデル
ヴァンサン・カッセル
ジュリア・スタイルズ
リズ・アーメッド
製作:フランク・マーシャル
マット・デイモン
ポール・グリーングラス
グレゴリー・グッドマン
製作総指揮:クリストファー・ラウズ
原作:ロバート・ラドラム
脚本:ポール・グリーングラス
クリストファー・ラウズ
音楽:ジョン・パウエル
デヴィッド・バックリー
撮影:バリー・アクロイド
編集:クリストファー・ラウズ


ストーリー ★★☆
俳優 ★★☆
オチ ★★
総評 35 点

映画Alicia Vikander

Posted by takmiya